ばね指(弾発指)は、指の腱(けん)や腱鞘(けんしょう)に炎症が起きて、指の動きにひっかかりや痛みが生じる状態です。特に朝に症状が強く、指を曲げたあと伸ばしにくくなるのが特徴です。
■ ばね指の主な原因
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指の使いすぎ(オーバーユース)
パソコン作業・スマホ操作・手作業・家事・育児などで指を酷使すると発症しやすくなります。 -
腱鞘の炎症
腱が通るトンネル(腱鞘)が炎症で狭くなり、腱の動きがスムーズにいかなくなります。 -
ホルモンの影響
更年期や妊娠・出産期の女性に多く、ホルモンバランスの変化が影響すると考えられています。 -
糖尿病やリウマチなどの疾患
慢性疾患があると腱や腱鞘の代謝異常が起こりやすくなります。
■ おすすめの対処法
● 自宅でできる対処法
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安静にする
指をなるべく使わず、負担を減らします。 -
温める(温熱療法)
お風呂や蒸しタオルで患部を温めることで血流が改善し、炎症が和らぐことがあります。 -
ストレッチ
無理のない範囲で、指のストレッチや軽いマッサージをするのも効果的です。 -
サポーターやテーピング
指の動きを制限し、安静を保つために使用します。
● 医療機関での治療
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消炎鎮痛薬の内服・外用
痛みや炎症を抑えます。 -
ステロイド注射
腱鞘の炎症が強い場合に行われ、即効性があります。 -
手術(腱鞘切開術)
重症で改善しない場合、腱鞘を広げるための小手術が行われます(通常は日帰り可能)。
■ 整体やリハビリでの対応
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前腕や肩の筋肉の緊張緩和
手指だけでなく、腕全体の筋肉の緊張を取ることで負担を軽減します。
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姿勢改善
肩こりや猫背があると指への負担が増すため、姿勢を整えることも重要です。
■ 再発防止のポイント
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同じ動作を繰り返さないよう工夫
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適度な休憩とストレッチの習慣
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食事や睡眠などの生活習慣の見直し
🔹ばね指のためのストレッチ法
① 指全体の曲げ伸ばしストレッチ(基本)
やり方:
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手のひらを上にして軽く開く
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ゆっくりと指を曲げ、握りこぶしを作る(軽くでOK)
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痛みの出ない範囲で指をまっすぐに戻す
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10回 × 2~3セット(1日2~3回)
👉ポイント:指の動きをなめらかにするのが目的なので、強く握らないようにしましょう。
② 指1本ずつの反らしストレッチ
やり方:
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反対の手で、ばね指になっている指をつかむ
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ゆっくりと反らせていく(痛くない範囲で)
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5~10秒キープして戻す
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3回ほど繰り返す
👉ポイント:関節が固くなっている場合、無理に伸ばさず、**「気持ちいい程度」**で止めてください。
③ 指の腱・腱鞘まわりのマッサージ(ウォーミングアップに)
やり方:
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指の付け根(特にばねが起きる関節部分)を、親指と人差し指でやさしくつまむ
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小さく円を描くようにやさしくほぐす
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1~2分程度
👉ポイント:温めながら行うと効果UP。お風呂上がりが最適です。
④ 手のひら・前腕のストレッチ(原因にアプローチ)
ばね指は**前腕(肘から手首までの筋肉)**の緊張から起きていることも多いです。
やり方:
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手のひらを下に向け、肘を伸ばした状態で、反対の手で指を下方向に軽く引く
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前腕の筋肉が伸びるのを感じたら15秒キープ
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3回ずつ
⚠注意点
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朝に症状が強い人は、まずは温めてからストレッチを。
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痛み・腫れがあるときは無理せず中止。
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継続することが大切ですが、無理に毎日やらなくてもOK。体調に合わせましょう。